2023/09/25 13:04




皆様、いつも畑中園をご愛顧頂き、心より感謝申し上げます。

畑中園では、特別栽培みかん農園として、9月中旬~出荷を開始します。
普段、みかんのイメージとしてはもう少し遅めの印象もあるかもしれませんが、今回ご紹介する「YN26」「紀のゆらら」という品種については9月中旬ごろから市場に出回る和歌山で生まれた新しい品種です。

今回はその品種について詳しく説明させていただきます。


「YN26」「紀のゆらら」とは何か?

「紀のゆらら」は、和歌山県内で育てられた「YN26」という温州ミカンの品種のうち、特定の品質基準を満たしたものに与えられる商標です。この「YN26」は、「ゆら早生」と「紅まどか」の交配によって生み出された極早生の温州ミカン品種で、収穫が9月中旬から始まり、特に減酸が早い特徴を持っています。


「YN26」「紀のゆらら」の起源について

「YN26」は、和歌山県農林水産総合技術センター果樹試験場(現在は和歌山県果樹試験場)で、ブンタンの一種である「紅まどか」の花粉を「ゆら早生」と交配させ、珠心胚実生から選抜して育成されました。

2001年(平成13年):「ゆら早生」を種親とし、「紅まどか」を花粉親として交配し、種子を取得。これらの種子から温州ミカンを選別し、温州ミカンの中間台木に高接ぎを行い、減酸が早くて早熟で糖度の高い個体を初期選抜。

2006年(平成18年):「ゆら早生」と「日南1号」を基準にして、減酸が早い個体を最終選抜。

2009年(平成21年):和歌山県育成品種として「YN26」の品種登録出願。和歌山県果樹試験場で「YN26」の母樹(1年生苗)を仕立て、増殖を希望する23名の和歌山県果樹育苗組合員に母樹を提供。これを秋芽接ぎで増殖。ほとんどの増殖は自己増殖で行われました。

2011年(平成23年):高接ぎ用の穂木が販売開始。

2012年(平成24年):品種登録が完了し、1年生苗木の生産者への販売が始まる。

2013年(平成25年):収穫が始まる。

2014年(平成26年):和歌山県農業協同組合連合会が「YN26」の果実に使用する商標として「紀のゆらら」を登録出願。

2015年(平成27年):「紀のゆらら」の商標登録が完了。

「YN26」はJAグループを通じて集荷され、一定の品質基準を満たしたものは「紀のゆらら」として市場に出回ります。また、JAを介さない生産者も、和歌山県に申請し、品質基準を満たす場合、「紀のゆらら」として販売することができます。一部の農園では、独自の名称で販売されていることもあります。

「YN26」「紀のゆらら」の特徴について

「YN26」の果実は通常、小さなサイズで、重さは約100g程度で、横径は約60mm前後のM~Sサイズです。形状は「ゆら早生」よりもやや扁平で、「日南1号」や「宮本早生」よりもやや腰高です。撮影したものの果実重量は75~80gでした。

果皮は均等に早く緑色から黄色に変わり、黄色の部分は「ゆら早生」ほど濃くならず、より黄色に近い色合いです。
果肉の膜は薄く、ジョウノウ膜ごと食べることができます。糖度は10~13度で、クエン酸含有率は1%以下です。